婦人部ちょっとイイ講座
「それでも夢はある HOPE」
9 月 15 日、大好評のちょっとイイ講座を開きました。板橋民商婦人部ではお馴染み、リラン・バクレー
監督の映画「それでも夢はある HOPE」の上映会です。
映画は、2017 年トランプ大統領誕生に仰天したバクレー監督が、テレビに出れない芸人・松本ヒロさんとアメリカを旅するドキュメンタリー。
アメリカの歴史を知ることで、なぜ銃規制がすすまないのか、なぜ戦争をやめられないのか、少し理解できました。
アフリカ系アメリカ人活動家のネッファさんから教えられました。黒人奴隷の解放者と言われて
いるリンカーン大統領、実は「白人と黒人は平等ではない」と明言していたそうです。アメリカの
初代大統領ジョージ・ワシントンの生家には、膨大な敷地内にワシントン夫妻の立派なお墓がある
一方、対照的に墓標ひとつもない数百名の奴隷の埋葬地があったり、アメリカの裏と表が見えまし
た。その格差に驚き、墓標のない奴隷の埋葬地に手を合わせる松本ヒロさんの人柄が感じられます。
映画の中で、武器もなにも持っていなかった息子を警察官に殺されたビバリーさん(アフリカ系ア
メリカ人女性)は、事件後すぐに活動家になり、政府に何度訴えても変わらない長い闘いをしてき
ました。400 年前、アフリカから奴隷としてアフリカ人が連れてこられましたが、この 400 年間、
アメリカはかわったのでしょうか?「平和活動はとても厳しい闘いだけど、諦めてはいけない。す
ぐに戦争をなくせなくても平和を望み続ける人たちは絶対に繋がっていきます。」と、語ったのは
平和のための退役軍人の会の元会長、サンフォードさん。自由を求めて中南米からアメリカに来た
ストリートミュージシャン、リロ・ゴンザレスさんが歌う詩に心が引かれました。
♫ 降る雨を止めることはできない 海へと流れ出る川を止めることはできない
自由を求めてたたかう人々を止めることはできない 中略
水は時にはとどまって動かないように見える でも水の流れは決して止まらない ♫
映画の中、松本ヒロさんが、バクレー監督の依頼でアメリカで初めてのライブを行いました。ま
ずは世界共通語のパントマイムで観客は大爆笑。そして日本の憲法九条の素晴らしさを伝えました。
終りに、マーティン・ルーサー・キング牧師が「私には夢がある」と有名な演説をしたリンカーン
記念堂前でビバリーさん、ネッファさんにバクレー監督が「あなたには夢がありますか?」と尋ね
ます。ビバリーさんが「私にはまだ夢がある。アメリカは暴力と人種差別を乗り越えられると信じ
ています。」と答えていたのが、本当に印象的でした。
上映後リラン・バクレー監督を囲んでの交流会で、バクレー監督は「まずはみなさんにお詫びします。あのトランプさんが大統領になってしまって日本のみなさんにもご迷惑おかけして。そして今作っている映画はフィクションですが、マラッカ海峡でアメリカの戦争に日本が巻き込まれてしまう・・・。これはあり得ない事ではないです。」バクレー監督は集団的自衛権によって日本がアメリカの戦争に巻き込まれることを心配しています。バクレー監督が平和活動を始めたきっかけは、アメリカ軍がイラクで民間人をヘリから撃ち殺しているシーンをインターネットで見たことです。自分の生まれ育った国が行っていることに、とてもショックでした。自分には何ができるのかと模索中、沖縄へ勉強に行ったところで「米軍への思いやり予算を被災地のために」という署名活動をしている女性に出会い「思いやり予算」という言葉を初めて知りました。「これからも妥協せずに、鋭く映画を作っていきます。」という、バクレー監督の次回作は、地元板橋の劇団銅鑼(民商会員)も一緒に作っている映画です。また、婦人部でも上映会をおこないますので、乞うご期待!